12月1日、国立能楽堂へ 「第13回 佐久間二郎能の会 三曜会」を観に行ってきました。
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最初に、観世喜正さんによる解説。
観世流では、源氏物語ゆかりの演目が10曲、厳密には9曲あります、とのこと。
"厳密"ステージで脱落する演目が何なのか気になります。
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狂言「見物左衛門」
見物左衛門が万作さん、
後見が裕基くん。
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解説での喜正さんのお話によると、お能の舞台が京の都なので、都つながりでの選曲なのだとか。
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そんなインプットをふまえて万作さんのセリフを聴いていると、「9条の御所」なんてワードも。
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人混みに分け入っていく時に、最も邪魔になるのが笠なんだぁ、という発見。
この演目が作られた頃からの時間の流れを手触りで知ったような気分。
自由気ままな風をまとった万作さんでした。
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仕舞「半蔀」
観世喜之さん
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能「野宮」
六条御息所の霊が佐久間二郎さん、
旅僧が福王和幸さん、
所の者が中村くん、
笛が松田弘之さん、
小鼓が大山容子さん、
大鼓が佃良太郎さん、
地頭が観世喜正さん。
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御息所が黒木の鳥居から一歩踏み出しかけ、思い止まって後退りしていくと、
面や長絹の上を幾つのも横線がサーッと流れてゆき。
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おそらく鳥居の笠木や貫や、能舞台の長押の影だったのでしょうが、
二人で過ごした年表の様に見えました。
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御息所の心中を数々の思い出が走り抜けてゆき、
影が過ぎ去った時に決別が完了した、という風で。
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長絹は、びっしり全面に金糸の柄が施されていて、それで影が際立ったのかも。
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もしや、それを狙ってのビッシリ柄?
なんと象徴的な、カッコいい演出なんでしょー
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狂言「鎌腹」
太郎が萬斎さん、
妻が裕基くん、
仲裁人が深田さん、
後見が淡朗くん。
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こんなにも軽やかな演目だった?
以前に観た時は、
大曲を拝見いたします、
という緊張感の記憶があり。
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それとも演じられる萬斎さまご当人も少しづつ変化されているのかしら。
大曲には違いないんだけど、観る側にそうと感づかせずに愉しませちゃう、というワザでしょうか。
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能「葵上 梓ノ出」
六条御息所の生霊が、佐久間二郎さん、
照日の巫女が石井寛人さん、
横川小聖が福王和幸さん、
大臣が村瀬提さん、
下人が高野さん、
笛が一噌幸弘さん、
小鼓が大山容子さん、
大鼓が佃良太郎さん、
太鼓が小寺真佐人さん、
地頭が中森貫太さん。
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こんな出来事も経ての、「賢木」なのだなぁ、という気持ちで観ました。
野宮の前場から、野宮の後場へ時が遡り、
その時から更に時にを遡った「後場の後場」を観るような不思議な感覚でした。
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来年の同会は、俊寛とのこと。
またまた楽しみです。
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