萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「MANSAI CREATION BOX ~萬斎のおもちゃ箱~」を観る

10月16日、
石川県立音楽堂コンサートホールへ。
コロナ禍が始まって以来の初の遠征でした。

いきなり最初から萬斎さんがご登場!
しかも、解体新書コーデ。

うわー
そのコーデって、セタパブの特別支給服ではなかったのですねー
芸術監督を退任された時に、セタパブに返還されたものと思い込んでいました。

なんだか嬉しい。
そして、コーデだけでなく、
トークの進行の形態までもが解体新書ちっく。
ここはセタパブなんじゃなかろうか?と錯覚するくらい。

肩書が変わっても、ご自身の中に揺るぎないものをお持ちだからこそ、拠点は関係ないのかもしれませんねー

さて、
配布された番組表から、出演者のページを転記してみます。

ホスト・舞:野村萬斎(石川県立音楽堂邦楽監督)
ゲスト・指揮:井上道義(OEK桂冠指揮官)
管弦楽オーケストラ・アンサンブル金沢
照明:若泉純
音響・映像
:藤田莉佳 前田賢吾

となっていました。
なるほど、演目別に出演者を記載する書式ではないのですね。

プログラムのページも。

グリーグ
ペール・ギュント」第1組曲より
山の魔王の宮殿にて
Op.46-4

萬斎×道義トークセッション 〜萬斎ボレロへのプレリュード〜

武満徹
ワルツ
(映画「他人の顔」〜みっつの映画音楽より)

ヨーゼフ・シュトラウス
ワルツ「天体の音楽」
Op.235

ラヴェル
ボレロ

・・・と書かれています。
このプログラムを見ただけでは、萬斎さんが頭から登場なさるとは、予測できなかったです。

萬斎さんがご自分のおもちゃ箱の中へ案内人として、まず出てこられて私達を招き入れてくださる、という趣向だったのか、と遅ればせながら気づきました。

で、トークですが、お二人のお話がしっかり噛み合ってる様子が気持ち良かったです。
指揮者とは何ぞや、いうご説明もわかりやすい。
 
三番叟とボレロの関わりに話が及んだところで、
では三番叟は実演を交えてご説明しましょう、と仰る!

ん?
じ、じつえん?
三番叟の?

そして、黒門付きの裕基くんと中村くんがご登場。
中村くんがアカペラでお囃子を、裕基くんが三番叟を。

大地を地ならしする型(?)や、烏飛ビの辺りをスポット的に。

三番叟って、ある部分だけをポコッと取り出して演れるものなの?

揉み出しを聴くっていうルーチンからスタートしないと、不可能なのかと思ってた。

それで言うと、終わる時も、ブツッと中断できると思わなかった。
圧力鍋の蓋をいきなり外せないのと同じように。

萬斎さんの微かな合図で
裕基くんがスッと中段されたのを観て、またビックリだったのでした。

1つめのワルツは、萬斎さんパフォーマンスのとコラボ。

解体新書コーデのまま、小さい衝立の後ろにスッと隠れたあと、
うそふきの面、
乙の面、
乙&尉(?)の面、と、面を付け替えていかれる。

うそふきの面の時は、小さめポニーテールつき。
乙&尉(?)の面は、お顔の左右に。
ご自分の直面は扇で隠しておられ、客席に向けた方の面に合わせて、所作をスイッチング。

途中で少しだけ直面も出されたので、直面の人物が面を掛け替えながら3人の役を演じた、という意味でしょうか。

休憩時間になると、舞台後方の壁が一部撤去され、そこから橋がかりが前方の能舞台サイズ台へ設えられました。
そして、舞台と客席の間に、分厚い大きなクッションが搬入されてくる!

ぎゃーっ
ラストは前に飛んでくるバージョンだ!!

そして、ついにボレロの始まりです。

白地に金糸で鳳凰が大きく配された狩衣を衣紋つけに。
狩衣の露は、白と(5朱色のグラデーション。
厚板は、亀丸紋の白地&向鶴菱の朱色地の段替。
朱色に金の唐草の半切、金地に赤青の花紋の腰帯。
烏帽子は無し。

舞の最初の方で、萬斎さんは舞台の際まで出ていらして、下方を見つめられ。
うむ、飛び込むべきマットはアレか、と。

いやいや、もっと万物のコトワリの深淵とか、そのような対象をのぞきこまれていたのでありましょう。

ソロの奏者に順番にスポットが当たっていくのが、とーってもカッコいい。
ゾクゾクしました。

そして、奏者の方の中には、ご自分のパートじゃない時に萬斎さんを目で追っておられる方も。
そーでしょうとも、そーでしょうとも。
つい視線を奪われてしまうのですよねー

面替が美しかった。
袂のシュバッも美しかったー

クライマックスに向かっていくと、"シュバッ"はキレを増し、演奏もどんどん高揚していく。

うあぉーぅ
なんて幸せなんだー
でも終わりが迫ってくるー

クライマックスへのワクワクと、終わらないでの願いはトレードオフなのが困った困った。

エネルギーが集まり過ぎて、それが萬斎さんを最後に飛翔させたかのようでした。

萬斎さんにエネルギーがゴゴゴゴゴーッと集まってる感じは、ほんとに発電とかできそうな感じだったもの。

とにかくカッコいいったらありません!

これを毎月恒例でやってくださらないものでしょうか。
そしたら毎月、金沢に通います。

ところで、井上さんて、萬斎さんに負けず劣らずチャーミングな方。
好奇心でキラキラしておられました。