萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第99回 野村狂言座」を観る

8月25日、宝生能楽堂へ。

石田さんによる解説

「秀句傘」
大名が万作さん、
太郎冠者が高野さん、
新参の者が太一郎くん、
後見が深田さん。

太一郎くんのコーデに見惚れました。
深緑の地にナマズと瓢箪。
ボルドー色の瓢箪の紐が、朱塗の傘とリンクし、更に、狂言袴の小豆色と響き合ってました。

「酢薑」
酢売が裕基くん、
ハジカミ売が淡朗くん、
後見が中村くん。

裕基くんの肩衣は、miniパンケーキ柄。
卵色の地に、生クリームのトッピング付きのキツネ色のケーキ。
こんなファンシーな柄もあるんだぁ、似合う。。。

と思ってたら、背中に蟹がいたので、海のアブクだったと判明。

相手より気の利いた駄洒落を言おうって闘争心もありつつ、相手のシャレにも大喜びするトコが、微笑ましい。

伸び伸びと楽しげな若者たちを観て、幸せな気分になりました。

「箕被」
夫が萬斎さん、
妻が石田幸雄さん、
後見が裕基くん。
黒門付の裕基くんの煌めきが清冽です。

解説の際に石田さんが仰ることには、
五七五の発句を詠みかけられたら、七七の後の句を詠まないと虫に生まれ変わっちゃう
・・・と言われていたんですって。
なんと楽しい慣習!

それで、別れたばかりの夫からであろうと、五七五を詠まれてしまったからには、後の句を続けねばならぬ、と妻は考えたらしく。

妻の生真面目さが可愛らしい。
そして夫は、更に魅力的。
食費もままならないのに、連歌に夢中になってる、そのハマり様が子供みたい。

そして、輝くばかりに美しい。妻にしてみれば、無駄に美しい、とでも言いたいところでしょうが。

うわーい、たっのし〜ぃ、という高揚感が、夫を輝かせているんじゃないでしょうか。

今回の一悶着で、実は妻も連歌のセンスがあるって判明したんだから、この夫が連歌をやめちゃうのは、ちょっと寂しい。
改心なんてせずに、トコトン趣味に溺れて欲しいですみ。

「首引」
親鬼が内藤くん、
鎮西八郎為朝が竹山さん、
姫鬼が中村くん、
眷族が月崎さん
&高野さん
&深田博治さん
&飯田くん
&岡さん、
後見が太一郎くん。

姫鬼が可愛い。今回は、お食い初め成就ならず、だったけど、ターゲットの選定ミスだった気がします。


今回いただいた番組表に、次回の記念すべき100回目の予告が。
解説は、萬斎さんとのこと。
そうであって欲しいなー、と念じていた事が現実になりました!