萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第五十回記念 桃々会」を観る

3月13日、観世能楽堂へ。

能「安宅 勧進帳 酌掛 延年之舞 貝立 貝附」

弁慶が観世宗家、
義経(子方ちゃん)が清水義久くん。
同山が観世三郎太くん&清水義也さん&角幸二郎さん&関根祥丸さん&杉浦悠一郎さん&木月宣行さん&坂口貴信さん&井上裕之真さん&久田勘吉郞さん。

弁慶たち一行の強力が萬斎さん。

富樫が森常好さん、
その従者が内藤くん。

笛が杉信太朗さん、
小鼓が大倉源次郎さん、
大鼓が広忠さん〜
小鼓後見は大倉怜士郎くん。

広忠さんの気迫がすごい。
打っておられないときも、気迫めらめら。
一瞬の油断が義経のお命に関わる、とでもいうかのよう。
広忠さんも弁慶みたいだった。 

そして観世宗家の弁慶ですが、ちょっと達観したような、というか悟りの境地のオーラ。こんな弁慶もあるんだー

9人の同山ユニットが統制感ばつぐんで、キレッキレ。
人がいっぱい舞台に居るのに、ごちゃごちゃ感がなくて、整然としている。
9人でひと塊の生物みたい。

同行の知人は「EXILEみたい」と。

そのEXILEを束ねてるのが、サトリ弁慶、という対比がたまりません。

一方、強力さまはソロで立ち回りますが、同行に負けず劣らずキビキビとスタイリッシュ。

頭巾をサッと外して、踵を返しつつ懐に隠す所作も素敵。
ああーっ
懐に隠すトコも観たいのですよぉ、
そこは後ろ向く前にやってくださればいいのにぃ

エアーで法螺貝を吹く声色が美しかった!
長く長く尾を引くように吹かれ、その豊かな音に耽溺しました。
最初から最後まで舞台上におられるのも、嬉しいです。

狂言「樋の酒」
太郎冠者が太一郎くん、
次郎冠者が淡朗くん、
主人が中村くん。
後見が内藤くん。紋付裃。

雨樋って衛生的にどうなの?と誰も突っ込まない。
寛容に満ちた曲なのですねー
太一郎くんと淡朗くんが大らかで楽しげで、寛容マインドに感染したくなりました。

舞囃子「熊野 村雨留」
根知孝さん。
笛が杉信太朗さん、
小鼓が観世新九郎さん、
大鼓が原岡一之さん。  

能「石橋」
童子&獅子が関根祥丸さん。
寂昭法師が福王和幸さん。
アイが太一郎くん。
笛が一噌隆之さん、
小鼓が観世新九郎さん、
大鼓が亀井忠雄さん、
太鼓が林雄一郎さん。
アイの幕は中村くん。しっかり紋付裃。
小鼓後見は、前場が怜士郎くん、後場は源次郎さん!

獅子が!
超絶カッコ良かった!!
ソロの獅子を観たのって、初めてかも。
公演パンフによると、
「前後独演は至難なため近年めったに見られない」とのこと。
そうであったのか。
レア版を観れてラッキーでした。
が、何といっても、翔丸さんご当人がすっごい大当たりだったって事に尽きます!