萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「国立能楽堂 定例公演」を観る

9月17日、 国立能楽堂へ。
この場所に伺うのは7週間ぶり。

能楽堂の入口近くまで差し掛かったとき、
「ぎゅいんっ、うぃん うぃん うぃん うぃーーーん」というハデハデしい爆音が。

白い軽自動車が、地下の駐車場へ入っていくところでした。
運転する黒づくめシャツの人物は、お!
一噌幸弘さん!!

おひとりで、こんな風にして楽屋いりなさるんだぁー
でも、なんというか、イメージを裏切らないお方です。

国立能楽堂の中庭には、ちらほらと萩のマゼンダ色。
秋だー

狂言「合柿」
柿売が石田幸雄さん。
参詣人が、萬斎さん&深田さん&太一郎くん&内藤くん&淡朗くん&飯田くん&裕基くん。
後見が高野さん。

萬斎さんは、紺&常磐色&金茶色の段熨斗目、ブルーグレーの襟、紫色の鎧模様っぽい柄の長裃。

萬斎さん以外の参詣人も、段熨斗目&長裃ルックなんだけど、萬斎さんの段熨斗目だけ、トクベツに高そう。

生地の表面の凸凹した風合いも、色の替わり目の、ふんわり滲むように僅かなグラデーシデーションも。

装束も態度も、親分は別格なのかしら?
いや、親分というより寧ろ、ガキ大将ちっくでした。

柿売が、自身の味見のために柿を選り分けかかると、
萬斎さんは率先して、ヤイノヤイノ言い立てる。

選んじゃダメっ
そこにある柿にしろ!
なーんて言って。

それが、消費者の権利を守る為っていうんじゃなくて、柿売イジメに嬉々として、いそしんでいるかのようなんだもの。

柿を味見する萬斎さんの手つきが美しかった!
動きだけじゃなくて、フォルムもメリハリがあるのです。

エンディングは、
秋の夕暮れ時の、なぜか心細いような、切ないような気配が漂って、余韻がすてきでした。


能「絃上(けんじょう) クツロギ 舞返」 

老翁&村上天皇が朝倉俊樹さん、
藤原師長(もろなが)が金井雄資さん、
姥が大友順さん、
龍神が金森良充さん、
師長の従者が福王和幸さん&矢野昌平さん&村瀬慧さん、
龍王の眷属が中村くん。

笛が一噌幸弘さん、
小鼓が後藤嘉津幸さん、
大鼓が原岡一之さん、
太鼓が桜井均さん。

後場で、龍神が登場する辺りから、お囃子がどんどんノリノリに。
私の前方の席の方は、ヘッドバンキング

龍神は、サッと現れて、キリキリーッと舞って、シャーッと消え失せちゃいました。
短時間でも、いえ、短時間でもだからこそ、なのかもしれなきけど、潔くてカッコよかったです。