萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「コレクター福富太郎の眼 昭和のキャバレー王が愛した絵画」を観る

観たかった展覧会が再開したと聞きつけ、
東京ステーションギャラリーへ行って参りました。

展示スタートは4/24でしたが、始まってすぐ緊急事態宣言のため休館になってしまい、再開を心待ちにしていました。

入ってすぐに、いきなりドーンと鏑木清方

情念がゆらめきのぼるような「薄雪」に、ノックアウトされましたぁ

そもそも福富太郎にとって、鏑木清方は特別な 存在で、コレクターとなったキッカケが鏑木清方だったのですって。

子供の頃、家が火事に遭い、福富太郎パパが収蔵していた鏑木清方の作品が焼失してしまったそうで、
救出できなかった悔恨から、長じて鏑木清方を蒐集するようになった、と。
展示のキャプションのうろ覚えですが。

この「薄雪」は、鏑木清方ご当人もお気に入りだったようで、
後に、
福富太郎によってこの作品に再会した際には、しばらく眺めたいから、と言って、1ヶ月くらい福富太郎から借りていたそうです。

それと、伝説的な作品「妖魚」も。
この作品、はるか昔に観てインパクトが強烈に記憶に残っていたけど、その持ち主が福富太郎だったとは!

今回の展覧会は、チラシが2パターンあり、一方がこの「薄雪」、そして他方が、「道行」(北野恒富)。

なんとゆーカッコいい構図なんでしょ!
この絵のキャプションでは、
福富太郎がコレをゲットした時の、画商との駆引きに言及されていて興味深い。

心中モノが題材だと、買い手が付きにくい、なーんて書いてあって、ほえー、そういうもんなんだぁ、と。

展示された作品群その物を観る楽しみに加え、
コレクター本人の嗜好が克明に顕れているのも、面白かったです。