萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「狂言ござる乃座 63rd」を観る

4月3日、国立能楽堂へ。

最初に、なんと萬斎さんによる解説が!
常のござるの座は解説は無しなのに、嬉しいサプライズです~

初めて狂言をご覧になる方が多いようだったので、ちょっとご説明した方がよいかとなと思い、出て参りました、と。

続けて、狂言を今日、初めてご覧になる方~?、と見所へ問いかけを。
あらら思いのほか、挙手が少ない。

ご本尊さま~
だからといって、解説は要らないじゃん、てことではありませんよぉ
ご本尊さまの解説は、狂言1番以上に、ありがたいです!!

素囃子「羯鼓
大鼓が柿原孝則さん、小鼓が曽和伊喜夫さん、笛が槻宅聡さん。


「節分」
鬼が裕基くん、女が太一郎くん、
後見が萬斎さん!

太一郎くんがちゃんと綺麗なので、鬼が一目惚れしてまう展開にも、妙な説得力が。

鬼が隠れ簑をつけてたまま、
自己アピールするとこが微笑ましい。
太一郎くんの視界に入らんと、
「こっち見てくれよぉ」といわんばかり。

その一方で、動きはキレキレだし、静止した姿は美しいし、、というギャップが、たまりません。
裕基くんの謡がいっぱい聴けたのも嬉しかった。


「花盗人」
男が萬斎さん、
何某が万作さん、
後見が月崎さん。

萬斎さんの肩衣は、墨色地に、藤(?)の花。

お二人の酒宴の場面に、酔いしれました。
萬斎さんの謡に耳を傾ける何某さんに憑依して、私も気持ちが緩やかにほどけてゆきます。

ときおり、萬斎さんの肩衣が月明かりを受けてユラリと煌めく。

謡が聴こえている時間も最高なら、謡が聴こえてない時間も、これまた最高。
金蘭の交わり、という言葉が胸に浮かびます。

万作さんと萬斎さんが揃うと、何故こうも満ち足りた世界が出現してしまうのでしょうか。
大好きな曲を、大好きな配役で観れた幸せに感謝です。


「金津地蔵」
親が萬斎さん、
その子供が三藤なつ葉ちゃん、
金津の者が高野さん、
立衆が石田幸雄さん&深田さん&内藤くん&中村くん&飯田くん石田淡朗抜くん。
後見は岡さん、
働キ&幕は裕基くん。

「節分」では裕基くんは面を掛けておられたので、
働キで直面を見せてあげよう、という、お父様の御取り計らいでしょうか。

なつ葉ちゃんが!かっわいい!!
そして健気。
自分のことを少しも不幸と思ってないし、あんま心配もしてなさそう。

パパがぜったい迎えに来てくれる、という盲目的な信頼っぷりも愛らしい。

さて、甲斐性なしのパパは、角頭巾の萬斎さん。
似・合・う~

お地蔵ちゃんが喋ろうが、スイーツを所望しようが、
村人たちは、奇特だ~、と有り難がる。

素直に騙されると、お地蔵ちゃんと一緒になって踊れちゃうから、騙されたモン勝ちって気がしてきちゃいますね。