萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「梅若研能会 1月公演」を観る

1月16日、国立能楽堂へ。
 
「翁」

翁はの梅若万佐晴さん。
当初、翁は万三郎さんがつとめられることになっていたのですが、ロビーに貼り出された案内によりますと、万三郎さんはお怪我のため、代演となったのだとか。

千歳が梅若万佐志さん。
三番叟が飯田豪くん。
飯田くんは、披きだそうです。
面箱が淡朗くん。

笛は栗林祐輔さん、
小鼓頭取が久田舜一郎さん、
脇皷が古賀裕己さん&清水和音さん、
大鼓が大倉慶乃助さん。

橋懸りに、面箱、千歳、翁、三番叟がでてきて、
そのあとに素襖裃の囃子方、後見、地謡、と、次々に入場してくる光景が、なんともいえず大好き。

ことに、国立能楽堂の長~い橋懸りだと、壮観です。

シテ方後見のあとに続く狂言後見は、萬斎さん。
と、ここまでは期待もこめつつ、予想していた範囲内でしたが・・・

萬斎さんの背後に従う、あのシルエットは?
はうっ
ゆゆゆ裕基くん??
揚幕の奥に現れた時点から、もう目が釘付けでした!

小鼓方の後見も豪華で。
小鼓頭取の後見は大倉源次郎さん、
脇鼓の後見が、大倉伶士郎くん&飯冨孔明さん。
囃子方の後見の皆さまは紋付き裃。

千歳の直垂には、大きなスモーキーピンクの梅が一面に咲き誇っていました。梅の間には鶴亀も配されていて華やか。
こんなフェミニンな色調の直垂も、アリなんですねー

狂言後見コンビ様たちは、青鈍色の素襖裃で、裾の方が松皮菱きりかえで露草色になっています。
露草色エリアは、向鶴菱でしょうか、細かい模様がびっしり。

目が洗われるようだ、とは、正に、こんな方々に使うために創出された表現なのではないでしょうか。

裕基くんの素襖裃のお姿、私は初見かも。
なんてお似合いになるんでしょ。

この1週間前に、「末広かり」のシテをなさったようですが、観てみたかった~
チャンス再来に期待します。

飯田くんは、披きとは思えないくらい堂々としておられ。
烏飛び、格好いい~
シッカリ万作家の三番叟でした。


「二人袴」
親が萬斎さん、
聟が裕基くん、
舅が石田幸雄さん、
太郎冠者が高野さん、
後見が中村くん。

萬斎さんと裕基くんは、翁に続いてのご出演で、間に休憩時間20分があるもはいえ、大忙しですね。

萬斎さんは、ブルーグレーの段熨斗目、八掛は滅紫色。
今までは、このお役をなさる時の段熨斗目は、大半が裏柳色で、時たま榛色だったのですが。

このたびの長袴の色味とのバランスのためでしょうか?

この演目で使われる長袴は、深緑色のことが多かったんだけど、今回は、松皮菱きりかえの紫&あらいしゅのツートンカラーだったのです。
紫とブルーグレーは、無敵の組合せですもんね。

そして、リアル親子による親子コンビも、無敵でした。

お二人そろって舅殿の前に出てからの会話では、
裕基くんの操る「マ」が、サイコー。
あそこまで長い「マ」でも、お相手が萬斎さんだからこそ、成立するのでしょうね。

でも、まだまだ、萬斎さんの聟も観たいなー、と、私の欲望は、果てしないのでした。

高野さんの扇が、可愛かった。
白地に、竹の根元が描かれていて、その側にタケノコがパラリ、と。
金銀が少しだけあしらわれていて、余白が良いのです。


仕舞
 「嵐山」 梅若志長さん
 「屋島」 梅若紀長さん


二人静 立出之一声」
菜摘女が加藤眞悟さん、
里女&静御前が梅若紀彰さん、
手宮の神主が安田登さん、
神主の下人が中村くん。


笛が小野寺竜一さん、
小鼓が鵜澤洋太郎さん、
大鼓が大倉庄之助さん、
地謡は5人で、1列。
アイの幕は、紋付裃の高野さん。

前シテは、白い水衣をまとっていて、肩の辺りの華奢な風情が綺麗。

物着の時に、水衣を長絹にチェンジなさる後見の方々のお仕事ぶりが丁寧で、見とれてしまう。

まず水衣の衿を少し抜いておき、
長絹を水衣の上から着せ掛け、
それから長絹の裾からの水衣を下へ引き抜いておられ。

こうすると、下に着ている摺箔の肩が一瞬たりとも、アラワにならずに済むのですねー


長絹は古代紫色の地に、金・銀・胡桃色の藤の花。

後ツレの長絹は、白地で、柄はシテと同じながら、花の色を地の色に寄せているため、パッと見は、花がまばらに見える、という凝りよう。

一方、長絹の下から見える橙色の縫箔は、杜若&蝶&藤の花がはいされたもので、こちらは、色・柄とも完全にオソロ。

二人の装束を、こんな風な取合せにするパターンもあるのですね。
とっても素敵でした!