萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「第十二回 東京満次郎の会 FINAL」を観る

11月1日、宝生能楽堂へ。

辰巳大二郎さんによる仕舞「三輪」

狂言「萩大名」
大名が万作さん、太郎冠者が裕基くん、亭主が深田さん、後見が飯田くん。 

ダメダメ大名様に対する、太郎冠者のスマートなサポートぶりが、鮮やか。

なんとかしてキレイなお庭を主に見せてあげたい、と奔走するところは、健気で好感がもてます。

最後に太郎冠者は怒って居なくなっちゃったけど、このあとすぐに戻ってきたと思うなー

で、その時には、いやーごめんごめん、と大名の方が謝って、
太郎冠者は、まったくですよぉ、とか言って、仲直りしたことでしょう。

朗読劇「邯鄲」
能語りが榎木孝明さん、琵琶が須田隆久さん。

琵琶の主張つよめで面白い。
朗読の"マ"に、琵琶が響くのが心地よかった。

能「邯鄲 傘之出」
盧生が満次郎さん、舞人が辰巳和磨さん。

呂仙王(宿の女主人)が 萬斎さん。

勅使が森常好さん、
大臣が舘田善博さん&梅村昌功さん、
輿昇が大日方寛さん&小林克都さん。

囃子方が竹市学さん&源次郎さん&広忠さん&澤田晃良さん。

後見が宝生ご宗家&佐野登さん&和久荘太郎さん。

地謡は、前列2名&後列3名からなる全5名。
後列のみ透明のシールドマスク。

アイに始まり、アイに終わるのがいいですねー
しかも、アイは、重要なアイテム・枕の持主でもある。

更に今回は、小書つきのおかげで、更に傘というアイテムにも、アイが絡んでくるのです~

自分が経営する宿に、盧生がチェックインする時に、女主人サマが傘を受けとります。

なんとなく、人質ならぬ、モノ質って風にもみえてくる。
枕を使って寝ないことには、コレは返さないもんね、という。

そして、思惑どおりに事が運んだので、何事もなかったように最後に傘を返してくれたけど、

そうでなかったら、ぎらり、と豹変してたんじゃないかしら?
そう思わせる謎めいた美女でした。

ぎらり豹変も見てみたくなります!

会の冒頭に満次郎さんがご挨拶に出てこられて仰ることには、
時々、盧生が「これ夢なのかな?」と疑う場面が何度かあります、と。

なので、それを意識して拝見してみたら、ほんとだー
確かに!

盧生の面って、今まで私は、宿に着いた時の、悩める青年のお顔なんだと思ってたんだけど、
これは夢なのかな?と、疑うお顔にも思えてきました。

大小鼓が乱れ打ちに、笛の狂い吹き(こんな言葉あるのかな?)が凄かったです。