萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「このあたりのもの~禍(わざわい)の時、狂言三代の見つめる遠い未来~」を観る

10月25日、NHK放送博物館へ。

万作さん&萬斎さん&裕基くんのドキュメンタリーの8K番組が、こちらで放映されると知って、急遽。

撮られたのは、犬童一心監督。
1時間の番組でしたが、とても濃~い内容。

裕基くんが奈須の披きに挑むまでの、萬斎さんによる鬼の特訓に胸を打たれました。
といっても愛の滴る鬼です。


腕を上げるちょっとした高さや、セリフの間や緩急など、めちゃくちゃ細くダメ出しある。

私はこれまで、
裕基くんのお声はもちろんのこと、膝に置かれた手に至るまで、萬斎さんに酷似していることに感嘆しておりましたが、
それは単にポヤ~ッと手に入ったモンじゃなかったのね。

神の芸をお持ちの万作さんの元に、萬斎さんのような天才がお生まれになったことも奇跡で、

その萬斎さんのご子息に、これまた煌め満ちた裕基くんが育たれたことも奇跡で、

奇跡が3回も続くって、どゆこと?って思ってたけど、
大変な鍛錬と努力のもとに、奇跡は作られてきたのだなあ、とシミジミ。

ビジュアルとか身体能力とか、もともとハイスペックな素養はあったにしても。

それと、プライベートのお着物のお姿が見れたのも嬉しかった。

裕基くんの紺の小地谷縮っぽいお着物、
萬斎さんの亀甲絣の白いお着物、
万作さんの蚊絣の黒いお着物など。

お舞台でお召しになる装束も素敵ですが、それらとはまた異なった味わいにトキめいていました。

この番組が、ごく一部の人の目にしか触れていないのは、勿体なさすぎる。
地上波でも放映されますよう強く願っています。