10月21日、鎌倉能舞台へ。
最初に、貫太センセによる解説。
“能の小道具・作物”というテーマでお話なさいました。
小道具の1つにお手紙があり、男文と女文があるのだとか。
実物も持参されてのご説明。
男文と女文では、折りたたむ回数が違っていて、
たたんだ状態での幅が女文の方が細い、ということを教えてくださいました。
何枚かの紙を貼って作るので、ご自分たちでは製作が難しく、業者さんに発注しているのだそうです。
今回の公演の狂言は、作り物が出てくる曲として、
「宗八」を萬斎さんがセレクトされたのですって。
「宗八」
宗八が萬斎さん、主が月崎さん、僧が太一郎くん、後見が淡朗くん。
萬斎さんは、洗柿色にポップめの笹の葉、裏葉柳色の格子の縞熨斗目、紺の襟、
ろくしょう色の狂言袴、カタバミ紋ちっくなクローバーのような紋の腰帯。
宗八サマのお経の読み始めは、
定番の「うにゃら うちゃら」ではなく、
「はんにゃしんぎょう・・・」。
うっわ、いい声~
宗八サマは、きっとお料理のセンスあると思うな。
だって、
ガリリ ガリリ ちょん ちょん
ガリリ ガリリ ちょん ちょん
って、リズムはソク習得しちゃうんだもんね。
このリズム、耳に心地よく残ります。
「籠太鼓」
清次の妻が貫太センセ、
清次を牢に閉じ込めさせた松浦ノ某が野口能弘さん。
その下人が高野さん。
大鼓が大倉慶乃助さん、小鼓が幸正昭さん、笛が藤田貴寛さん。
地謡は遠藤喜久さんを地頭に4名。
地謡の前面と、お隣どうしの間にシールド板。
清次の妻の唐織が、深みのある錆色でうっとり。
プチプチした辛子色の実(それとも花?)が、所々に控えめに配されているのも美しい。
いまの季節感にもぴったり。
秋って、狂女もののために神様が用意してくださった季節に違いないです。
後見の奥川センセが、とても細やかに装束を整えておられました。
牢屋の中に妻が入っているときも、
牢屋の格子ごしに手を差し入れての熱烈サポート。
後見のお仕事ぶりにトキめいてしまう。
コロナ対策のために、終演後の質疑応答はナシでした。
9/22の東京公演でも同様でしたが。
質疑応答が復活する日が、また戻ってきますように。