萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「平家物語の世界 語りの伝承 巻二十三」を観る

9月26日、横浜能楽堂へ。
 
狂言「今参」。
大名が萬斎さん、
太郎冠者が太一郎くん、
職探し中の坂東方の者が裕基くん。
後見が内藤くん、幕は高野さん。
 
大名サマは、紺地に折鶴&松葉の素襖裃、緑青色&鶸色&サーモンピンクの段熨斗目、ブルーグレーの襟、大名烏帽子。
 
裕基くんは、常盤色の籠目模様の狂言場袴の括り袴、
藍鉄色の地にススキ&蛍の肩衣、
ダリア紋の腰帯、
薄蜂蜜色の格子の縞熨斗目、
璃色の襟、
剣先烏帽子。
 
前半は「蚊相撲」と殆ど同じなので
油断して観ておりましたら・・・
なんと、なんと、トンデモナイ大曲だったのです!!

後半は、昆布売ちっくな要素もある展開に。

職探し中の裕基くんは、大名サマの前へ出て採用面接を受けるのですが、緊張のあまり、義経の恋人を弁慶と答えしまう。

ここで正解が言えると、うまいこと洒落が完成するはずだったんだけど。
大名サマは、色の黒い弁慶が義経の恋人のワケあるかい!と激怒。

え?そこ?
怒るんなら、洒落がコケた点を怒るんじゃないのかな?

その後も、失言続きの裕基くんは、
大名サマが「目を鷹のようにグルグルされるから、びびっちゃうんです」なーんて言ったりする。
 
でも、自分が得意な踊り節(小唄節とか、別の節だったかも)でなら、緊張しません!
と自己アピール。

そんなら、ということで、
裕基くんのビジュアルについて、
節つきで大名サマが問いかけ、
節つきで裕基くんが返答することに。

「かまきりスネ」とか、
「ありごし(漢字で書くなら蟻腰?)」とか、
ミゴトなまでに裕基くんに合致したパーツ、パーツを指摘なさる大名サマ。

「ありごし」の時なんて、
大名サマの問い掛けに、裕基くんが腰を振りながら拍子つきで応じると、
大名サマも一緒になって腰を振っちゃう!

もはや、アイドル(裕基くん)の振り付けを瞬時に完コピして、
一緒になって踊ってるファン(萬斎さん)の図式。
 
ラストは、囃子の「ヒョロロォ~ ピッ」というトメ(というのかな)を、お二人でアカペラで。

裕基くんは、閉じた扇を横笛ちっくに構えて「ピッ」と。
 
なんだぁ? この可愛い過ぎる親子は!

初見の演目でしたが、一気にマイフェイバリット曲の上位に入りました。
これ、ゼヒゼヒまた観たいです。
一世代アップさせて、万作さん&萬斎さんの組合せでも拝見してみたい~

 
須田誠舟さんによる平曲は、「判官都落」。

日本語とは、なんと美しい言葉なのでしょう。言い回しを、真似して使ってみたくなっちゃう。
変なヒトと思われるからやんないけど。

子供の頃は、小説の中に出てくる
「・・・じゃなくってよ」という言い回しが気に入って、
兄弟間でおしゃべりするときに使ったりしてたなー、と、ふと思い出しました。

今回、終盤の方で、プロンプタが付きました。
後見の方は舞台上へは出ておられないのですが、裏に控えておられるですねー
 

能「舟弁慶」。
「遊女ノ舞」と「替ノ出」の小書き付き。

静御前平知盛が櫻間右陣さん、
義経が村下瑠惟くん、
弁慶が森常好さん、
従者は館田善博さん&梅村昌功さん
船頭が高野さん、狂言方の幕が飯田くん。

囃子方が、広忠さん&飯田清一さん&金春惣右衛門さん&松田弘之さん。
 
広忠さんは、梅鼠色の袴。前日に観世能楽堂でお召しになっていた袴と、色の系列は似てるけど、今回の袴の方が、やや深い色味。
 
地謡と後見の方々はマスク装着。
マスクの形が凝っていて、フレアースカートのようなダーツが入った立体フォルム。
丈は、お着物の胸の紋ギリギリ上くらい。
 
地謡が素敵だった。
静の哀しみよりも、知盛の無念さの方が、より胸に迫ってくるのは何故なんでしょう。

来年は、8/15、14時~、演目は未定とのことでした。