萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

永青文庫の財設立70周年記念「翁-大名細川家の能の世界-」を観る

猛暑のあまり躊躇していましたが、意を決して永青文庫へ行ってきました。

江戸川公園の遊歩道を通っていったので、ずっと木陰に守られ、
しかも遊歩道に沿って足元にはミニ渓流が流れており、
恐れていたほど過酷な暑さではありませんでした。

小さかった裕基くんがパパとセミ取りしてたのって、景観的にココイラか?・・・などと思いつつ歩行したのが、功を奏したのかも。

江戸川公園から右手に曲がってからは急な胸付坂だけど、
目的地は坂の半ばにあるので、横浜能楽堂へ向かう紅葉坂よりは、負担は少なかったです。

展示は、翁の装束だけでなく、半切や厚板や唐織や面、小道具まで。

私は蔓帯の展示がいちばん面白かったです。

それぞの名称は、修飾語がテンコ盛りでめちゃく長いんだけど、字面や響きが典雅で、読むのが楽しい。

生地の色や、模様の種類を名称の中にぜんぶ入れようとすると、こんなに長くなっちゃうのですね。

来館者がマバラで、一室あたり1~2人くらいしか人が居ないので、後ろがつかえる心配とか気にせずに、落ち着いて観れました。

展示のメインではないんだけど、展示のショーケースの枠っていうのか土台っていうのか、その木彫りが凝っていて美しい。

窓枠とか、飾り棚とか、廊下にさりげなく置かれた机とか、階段の手すりとか、建物まるごと趣きがあります。

さて、本館を出て、同じ敷地内にある別館へ。
うろこ模様の屋根がカワイイ。

別館では、萬斎さんが三番叟を勤められたを談山能の「翁」が上演されているのです。

トータル10分くらいのダイジェスト版なのですが、観た~って気持ちになる。

翁は観世宗家、千歳は観世三郎太くん、面箱は裕基くん。
後見は、大槻文蔵さま&坂口貴信さん、狂言方後見は、深田さん&太一郎くん。

裕基くんは、露草色の地に鶴亀・笹の葉が配された直垂。
頭上の満開の桜と明るい日差しが、裕基くんの清浄感を鮮やかに際立たせています。

様々な角度から撮影した映像が組み合わされていて、禁断の角度から萬斎さんのお顔が見れてしまった。

揉み出しのあとに、橋掛りでお顔を揚の方へ向けてから、キッと本舞台の方へめぐらせるシーンは、地謡座の方向から撮影。

うわーっ
この所作を、この角度から見れるなんて!
そして、その手前には、キリリと座る広忠さんの左横顔が。

面替りは、正面アングルの他に、中正面の上空からの映像も。
神様の視点って、こんな眺めなのでしょうか。

この上空からの面替りを繰り返し観たくて、けっきょく3回リピートして観賞してしまいました。

ところで今回の展示のチラシは、真鍋大度さんを彷彿とさせるようなスタイリッシュなデザイン。

チラシにはデザイン者のお名前はありませんでしたが。

そして、展示の入口に掲げられたキャプションで知ったのですが、今回の展示の主催元の1つは、「翁プロジェクト」なる団体でした。

なになになに?
なんか気になるネーミング!

帰宅して「翁プロジェクト」で検索してみると、今回の展示のチラシと同じデザインが。

公演告知の欄には、翁にゆかりのある全国各地で翁を野外上演する予定、と書かれている。

情報公開は10月とのことで、出演者には言及されていませんでしたが、
あのお方の三番叟とか、
かのお方の大鼓とか、
いろいろ期待しちゃいます。