萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「狂言ござる乃座61st」(第1日目)を観る その1

8月10日、宝生能楽堂へ。
この度は、裕基くんが奈須の披きということで、ドッキドキでした。


そして、聴き終えたいま、満ち足りた思いでいっぱいです。
煌めきを放つ、すごい語りでした。

もし射損じたら、自分の命を絶つ、と決意するところは、
まるで、この語りを成し遂げられなければ自害する、と宣言してるかのよう。

お一人で何役も語り分けわれるのですが、そのスイッチングも鮮やか。

実基パートの最初の方を語っておられたとき、後見座の萬斎さんが、アルカイックスマイルされてたけど、あれは、何だったのかしら?

ヨォーシ、ヨシヨシヨシ! いい滑り出し!!といったお気持ちだったのかしらねー

語り終えたあとに裕基くんは橋掛りに退かれて、ヒタと座っておられるのだけど、静かに燃え続けているような、不思議なオーラが。

髪は乱れなく七三分けなっているのだけど、
安田靫彦風神雷神みたいに髪の毛が逆立っているような錯覚に陥ってしまう。

あ、でも、お顔立ちは、風神雷神より繊細な美しさです。

前から思ってるのだけど、やはり裕基くんは藤田嗣治の描く女性像を彷彿とさせます。
目がとても印象的なのですよねー


そういえば、藤田嗣治って、パリでお能が上演されたときに、即席で縫われた能衣装もどきに、模様を描いたりなさったことがあったようです。

お能といっても、出演者はプロの方ではなく、謡は森茉莉さんのご主人さま達がインスタントでお稽古して謡ったのだそーですが。

話が脱線しちゃいましたが、
今回の奈須は、能「屋島」の替間として語られました。
「大事」と「奈須與市語」の小書き付きです。


シテは観世宗家、ツレは観世三郎太くん。

ワキは宝生欣哉さん、ワキツレは則久英志さん&御厨誠吾さん。

囃子方は広忠さん&鵜澤洋太郎さん&杉信太朗さん。

地謡は、野村四郎さんを地頭に、観世喜正さん&坂真太郎さん&谷本健吾さん&大槻裕一くん。

後見は、山階彌右衛門さん&野村昌司さん&坂口貴信さん。

・・・というスペシャルなお顔触れでした。


屋島」の前に、「隠狸」と「千切木」もあって、これまた最高だったのですが、あした出勤日なので、今日はここでやめておきます。

でも、その前に今日お見掛けした方々のお話だけ。

今日は、宝生能楽堂へ向かおうとJR水道橋のホームに降り立ったところで、スーツケースを持った遼太くんを目撃。
スーツ姿かっこい!


で、そのあと私はカフェに寄ったのですが、しばらくすると大槻裕一くんが窓の外をお通りに。

お!と、思ってると、少しして田邊恭資さんもお通りになる。
(今日は小鼓後見をなさってました。)

私は読書してたので、見張ってたわけではないのですが、知ってるお顔だと、つい目が反応してしまうようです。

見所では、松岡心平さんをお見掛けしました。

ですよねー
こんな豪華メンバの屋島で、小書き全部入りだなんて、そりゃ気になりますよねーー