萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「能楽公演 2020 ~新型コロナウイルス終息祈願~」(8月5日)を観る

8月5日、国立能楽堂へ。

狂言「茸」で、楽しく笑わせていただきました。

山伏が萬斎さん、何某が高野さん、
姫茸が裕基くん、
鬼茸が井上松次郎さん、

その他の茸たちは、
中村くん&内藤くん&飯田くん&月崎さん&淡朗くん&竹山さん&岡さん。

後見が石田幸雄さん、
幕が太一郎くん、
笠の撤収サポートは深田さん。

自宅を訪ねてきた人に応対しようと、山伏サマが橋掛かりにご登場。
謡のお声の響きが、とてつもなく美しい。

ひゃっほほーぅ 
コレだよコレコレ、
この響き方が気持ちいいんんだよねー

・・・っていう、山伏サマの快哉のようにも感じられる謡でした。

めくるめく謡のあと、シテ橋の所まで来た山伏サマは、
不意に何某から声を掛けられて、びっくりして仰け反っちゃいます。

この仰け反りのタメがスペシャルに長い。
二ノ松の辺りまで、トテテテテテテテテーーッ ドン!と。

国立能楽堂の、長い長い橋掛かりのニノ松まで!
後ろ向きで、のけぞったまま、片足で!!

蛇行したり、欄干に激突しそうなもんなのに。
まったくその気配なく、きれーな軌跡で。

何某さんチ(本舞台)に到着するまえから、散々に楽しませてくださいます。

さて、何某さんチで、中村くん茸に向かってボーロンする山伏サマの背後に、
内藤くん&飯田くんのコンビ茸がニョキリ。

それにビックリした山伏サマの衝撃が大きすぎて、山伏サマの腰の刀が鞘から飛び出て、床に落下! 

ゴトッ と。
けっこう重たそうな音。
刀を抜く場面がなくても、ちゃんと刀を差しておられるのですねー

ソク、後見座から石田さんが出てこられて、すみやかに元のポジションに復元くださいましたが。

裕基くんの姫茸は、顎先から耳への造形が、奇跡のように端麗なライン。
直面の時より、ラインのシャープさが際立つような。

最後にハケていくとき、鬼茸さんが放り出していった唐傘に、裕基くんが盛大に激突。
ドキッとしてしまった。

面をつけていると、やはり視界はめちゃくちゃ狭いのでしょうね。
お怪我はなかったでしょうか。

ヒェイッ ヒェイッ ヒェイッ ヒェイッ ヒェイッ 
って奇声を発しつつ、
飛び跳ねながら退出してゆかれたので、ご無事だったと信じています。

裕基くんのセリフは、本日は、この奇声オンリーで、高音したが、
あと5日後には、奈須の披き!

重低音の語り、楽しみにしておりますよぉ


狂言の他に、舞囃子1番と、お能1番がありました。


舞囃子「熊坂」
シテは、香川靖嗣さん。
ウネウネと激しく動く長刀が、しなやかな生き物のようでした。


能「西行桜 杖之舞」

シテ(老桜の精)は、梅若実さんから銕之丞さんに変更に。
開演前の会場アナウンスによると、体調不良とのことでした。

老桜の精の狩衣は、
大きめ丸文の地紋入りの濃紺。
白垂が映えます。

老桜の精の装束って、
スモーキーカラーか、アースカラーのイメージがありましたが、
濃紺、イイ!

そういえば以前にも、別の演目(山姥だったかと)で、銕之丞さんの装束の色が良くて、これ好き~ってなったことありました。

私は、銕之丞さん好みの装束が好きなのかも。
でも、今回の装束は、銕之丞さんセレクトじゃなくて、梅若実さんセレクトだった可能性もあるかな。


西行法師は、殿田謙吉さん。
前場では蔓桶に座ってらしたんだけど、その背後には黒紋付の宝生欣也さん。

蔓桶の出し入れは欣也さんがなさったのです。
欣也さんの黒紋付ってレアだー


今回は、舞囃子お能も、囃子方のマスクは無し。
マスク方針は、能楽協会で共通して決めているのではなく、
それぞれのおうちに、きっと一任されているのですね。