萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「新春狂言 万作・萬斎の世界」を観る

1月25日、埼玉会館 大ホールへ。

最初に萬斎さんによる解説。

今回は、冒頭にオリ・パラリンピック開閉会式に関する話題に言及されました。

どういう思いで携わっているかというより、なぜご自分が携わることにになったのか、いうアプローチで、狂言の精神をお話くださり。


狂言は想像しないと楽しめません、の流れから、
「トントントントン」で、その手をかざして
「これは何ですか?」と。

会場から「包丁」の声。

さー 待ち構えていたアンサーを得た萬斎さんの得意そうなこととゆったら!

「へっへっへへーん」とでも言いたげなお顔で、左顎をあげて、斜にお顔を反らせ、ニヤーリ、
「・・・右手です」

憎たらしいまでに、かわいいー

「小傘」の解説では、
「僕は最近、レ・ミゼラブルで、(ジャン・バルジャンが)教会に入って銀のお皿をぜんぶ盗んでいくシーンを、この曲をやる度に思い出すんです。」
なんて仰ってました。

解説の最後に、「なーもうだ なーもうだ」をレクチャーが。

最初はフツーに。

次に、もっと自覚的に、と、背もたれから身体を起こすよう促され、わたし的には、なかなかの大合唱に。

が、ご指導くださる側は、こんなもんじゃ御許しにならぬ。

「より自覚的に」と仰り、ホールを縦に3チームに分けられ、
チーム別での大大合唱。

これで、ようやく萬斎センセイは満足くださいました。

「教祖になった気分ですよ。何も勧誘はしませんが。」と。

狂言のなかで、なんども出てきますから、「なーもうだの所は一緒にどうぞ」とも。

この時のニュアンスが、今までとチョット違ってたんですよねー

いつもは、一緒に声にだしたきゃ、やってもいですよ、と仰りつつ、ホントにやったりするなヨ、というけん制の気色を漂わせておられた気がするんだけど。

今回は、けん制モードは皆無で、真に呼び掛けておられたような。

能楽堂でだったら、そういうわけにもいきませんが、今回はホールですし。今日はそういう趣向でやってみたいと思います。」と。

解説は25分も。


「棒縛」

太郎冠者が万作さん、次郎冠者が高野さん、主が太一郎くん。
後見が飯田くん。

万作さんが得意げに棒を扱うところ、シャープでキレイ。

万作さんがお召しになると、縞熨斗目がトクベツに粋に見える。

たくさん笑いが沸いてました。
特に主が帰ってきてからは、子供の笑い声も響いて嬉しくなってしまう。


「小傘」

僧が萬斎さん、田舎者が深田さん、新発意が月崎さん、立衆が中村くん&内藤くん&岡さん、尼が石田幸雄さん。
後見が淡朗くん。

萬斎さんは、ブルーグレーの無地熨斗目に墨色のシースルー僧衣、角頭巾という最強コーデが、麗しい。
麗しいビジュルで、不謹慎な小歌をうなる、このギャップ!

さて、「なもうだご一緒に」案件ですが、その結果や如何に?

それがねー、解説でアアは仰られても、そうそう一緒に言えるもんじゃないよ、と思っておりましたら、萬斎さんが客席を向いて煽ってこられる!

うわーおおおっ
この目、“のぼう”の城代サマの目だよぉ

田楽踊りで三成の軍勢を煽ってた時の目!!

煽られるって快感~
で、その煽りに乗るって、もっと快感~!

はーい、参加しちゃいましたよ、「なーもうだ」。

三成の軍勢たちって、こーゆー気持ちだったのかー

内藤くんてば、口が笑ってしまってる。
淡朗くんなんて、内藤くん以上にアリアリ笑っちゃってる。

全部が楽しかったー