萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「国立能楽堂 狂言の会」を観る

1月24日、国立能楽堂へ。
 
万作さん&萬斎さんの「法師ヶ母」を観ました!
夫が万作さん、妻が萬斎さん、地謡が石田さん&高野さん&中村くん&内藤くん。
後見は、前場は飯田くんお一人、後場は深田さんも加わってお二人で。
 
萬斎さんは、クリーム色の縫箔。
萬斎さんが女性の役をなさると、何故こう美人になるのでしょうか。

妻が「ミメのわろきは生まれつき」とかってと謡うとこからの展開が、とーっても、いい!

二人が謡で想いを伝え会うのです。
謡でって、フツー観てるコッチが退きそうなもんなのに、いやいやいやいや、ここは謡がマスト!という気持ちに。

夫が妻を差しまねこうと扇を開くと、クリーム色の地に黄色いマンサクの花が。
 
妻の縫箔と扇の色が呼応し、マンサクへ蝶が吸い寄せられるように、すぅーっと妻の身体が引き寄せられる。

と言っても、たぶん手さえも接触してなかったと思いますが、なーんかドキッとなる美しい場面でした。
 
この効果を狙って、扇&縫箔をセレクトされたのでしょうか。
はい、マンマと効果にハマリましたとも。
 
深田さんは、神経をピリピリさせているようなご様子。
執刀中の外科医さんくらいの当事者感。
終始、万作さんのお姿を目で追われてました。万作さんの体調を気遣われたたのかしら?
万作さんは絶好調だったように見えましたが。
 
 
新作狂言「彦市ばなし」。

この演目は、万作家の上演でしか観たことがなかったんだけど、意外に似てる、という印象。
 
彦市が茂山千五郎さん、天狗の子が茂山千之丞さん、殿様がイッペーちゃん。
 
私にとっての彦市は、萬斎さんがスタンダードになっているので、千五郎さんが彦市にマッチするのか?と思っていましたが、それが見事なまでに彦市でした。

イキイキ飛び回ってて、楽しそう。
千五郎さんのためにある役のように思えてきました。
ヨガのダウンドック的なポーズ的をとってゴメンナサイするとこも、かわいい。
 
そして、イッペーちゃんの殿様が大好きになりました!
カッパを釣る時に、彦市から目を瞑るよう促された殿様の所作が、サイコーに楽しい。

素襖裃の腕をサッと振り上げるや、袂をくるくるっと腕に巻きつけ、その巻かれた袂でシュパッと目を塞ぐ。
もー 何回でも見たいってくらいでした。