萬斎さん観賞と日本画修得の日々

能楽や展覧会の観賞の感想を書いています

「野村昌司 第6回公演 蒼昌会」を観る

12月15日、観世能楽堂へ。            

俊寛
俊寛が野村四郎さん、康頼が観世芳伸さん、成経が武田文志さん。
赦免使が福王茂十郎さん、
船頭が石田幸雄さん。
囃子方が一噌庸二さん&観世新九郎さん&亀井忠雄さん。
大鼓後見が広忠さん!

えっ
広忠さんて、この公演でお役があった?
思わず番組表を見返すも、どこにもお名前は無し。
お父様の後見の為だけにいらしたのぉ?

おワキの幕は、福王和幸さん。
黒紋付きの和幸さん見たの、初めてです。
お似合いになりますー

船のとも綱は、エアーでした。
観世の他のおうち(九皐会だったかも)では、リアルに綱が出てきたような記憶がありますが、いろんな選択肢があるのかな。

文楽にも取り入れられてるくらいだし、ドラマチックな要素が多めな曲だからこそ、あえて演劇的になりすぎないようにする、ということでしょうか。
そのためか、悲愴感よりも様式性の美しさを強く感じた「俊寛」となりました。


「栗焼」
太郎冠者が万作さん、主が裕基くん。
後見が高野さん、幕が中村くん。

万作さんの肩衣は、茶色の地に、金茶の蔦と、藤鼠色のブトウ&ネズミちゃん。
薄卵色&白の段替の地に、グリーン&茶色の格子の縞熨斗目、茶色の襟、白地に柳裏色の替わり市松の狂言袴。

なんて素敵なコーデ。

対峙する裕基くんも、これがまた魅力的。
ブルーグレーの段熨斗目、水色の襟、松を鱗模様っぽく細く配した
明るい紺色の長裃。

お二人の装束のバランスの美しさよ。

久しぶりに観た演目ですが、こんなにも粋な曲だったとは。

太郎冠者の言い訳が、途中から謡に遷移しちゃうとこ、もーれつに好きです!

栗を神様に差し上げた、と言う太郎冠者に、それは良いことをしたね、と返す主の反応もヨイですねー
んなワケあるかいっ!というツッコミは、一切なく。


仕舞「笠之段」 観世宗家。

道成寺 赤頭」
白拍子野村昌司さん。
住僧が福王和幸さん、ワキツレが村瀬堤さん&矢野昌平さん。
寺男が萬斎さん&太一郎くん。

囃子方が一噌隆之さん&鵜澤洋太郎さん&柿原弘和さん&小寺真佐人さん。
狂言方の鐘後見が、深田さん&中村くん&内藤くん&飯田くん。
中村くんが滑車通しを、深田さんが滑車越しの綱の受取りをなさいました。
 
福王和幸さんの、このお役、なんと映えることでしょう!

前シテは、糸ぐるま&枝垂れ桜の唐織、黒地に龍の丸紋と鉄線紋が配された縫箔。

鉄線紋の中に、色々な柄が刺繍されている、という珍しいもの。

太一郎くんから突き飛ばされた萬斎さん、トトトトトーッと舞台のキワッ際まで吹っ飛んでこられるから、ドキドキしちゃいましたよ。
そのまま落っこちるんじゃないかと。
しかし際まで滑走してくるや否や、ドンッ「落ちてござる」と。

"ドンッ"で片膝を着き、間髪いれずのセリフ。

この"ドンッ"により、鐘楼堂から、住僧たちの居室(?)へと、パッと場所が切り替わってしまう!
なんてスタイリッシュな場面転換なんでしょー

今回の公演では、お着物姿の由紀さおりさんをお見掛けしました。
オーラがある、とは、こういう方のことを言うのですねー
由紀さおりさんからのお花も、ロビーに飾られていました。