12月6日、宝生能楽堂へ。
石田幸雄さんによる解説。
「二九十八(にくじゅうはち)」。
男が内藤くん、女が月崎さん。
男が、観世音のお告げで示された場所へ向かうと、はたして佇む女性が。
照れつつ喜びに溢れる様が、内藤くんに良くお似合いでした。
「萩大名」。
大名が万作さん、太郎冠者が裕基くん、亭主が太一郎くん。
幕から現れた裕基くんに、ハッとさせられました。肩から上の空間が、まったくもって萬斎さんなんだもの。
萬斎さんは、空間を変えてしまうことが時々あるんだけど、その時の感じと同じ!
この日の裕基くんは、いつもの前髪重めスタイリングではなく、キッチリ七三分け。
大名は、亭主に和歌を請われても何のことやら判ってない様子。
そこへ太郎冠者が発する「うた」のお声が素晴らしい!!
声のトーンといい、マといい。
最強にクールビューティーな太郎冠者でした。
今までに観た裕基くんの太郎冠者の中で、ナンバーワンですー
「悪坊」。
悪坊が三宅右近さん、僧が萬斎さん、茶屋が石田幸雄さん。
悪坊から「手を引いてくれ」と頼まれ、僧はいやいや手を差しのべる。
とたんに、ガッと手首を捕まれてしまう。
わーおぉー
捕まれた手が絵になります。
しかし、虐げられっぱなしの萬斎さんではありませぬ。
悪坊の腰叩きをしてあげる辺りから、反逆スタート。
もーお、イキイキしちゃってるの、なんの。
出家の身にも関わらず、仕返しを目論んでない?
悪坊のためを思って、ではなく。
アドなんだけど、キャラ立ちが鮮やかなお役でした。
それと、酔いつぶれた悪坊が、目覚めた後にうたった謡が素敵だった。
素囃子「舞働」。
大鼓が大倉慶乃助さん、小鼓が鳥山直也さん、太鼓が澤田晃良さん、笛が栗林祐輔さん。
「鬮罪人」
太郎冠者が深田さん、主が高野さん、立衆が竹山さん&内藤くん&中村くん&飯田くん&岡さん。
深田さんの調子に乗りっぷり、愛嬌があって憎めません。
高野さんとの呼吸もぴったり。
この前週は、高野さんの主&深田さんの太郎冠者の「止動方角」を観たのですが、太郎冠者と主人のキャラ設定が似通った曲ですね。
その時も、お二人の息がぴったりでした。
フカタカの一方にいいお役を振ったら、同じような時期に、他方にも同格くらいの、いいお役を振る、という、万作さんのご采配に愛を感じます。
それとも、配役をお決めになってるのは、萬斎さんなのかしら。
次回は、1/16と17、なんと中村くんと内藤くんの節分が。
どっちも観るには、両日行かねばならないが、さて。