萬斎さん観賞と日本画修得の日々

吉祥寺で一棚だけの本屋さん(ブックマンション,145号,いもづる文庫)を始めました。お店番に入る日や棚のテーマ更新は、Instagramでお知らせします。

「テムとゴミの声」を観る

30数年ぶりに下北沢の小劇場に行きました。
観たのは、「テムとゴミの声」。

現代劇だったのだけど、お能のような要素も感じられ、沸き立つような楽しさも頂きつつ、終演後は静かな余韻に浸っています。

まず、目付柱を5倍くらい太くした柱がドーン、と!
その柱に対して、私は脇正面のお席。
舞台は、能舞台より7割程度のサイズ感。

脇正面から舞台に向かって左手には大きな箱。
この箱が、能楽堂の揚幕のような役割を果たしており。

場面転換も非常に能楽ちっくで、本舞台が箱の外という設定から、箱の中の設定へ、はたまた海の底へ、と、舞台装置をチェンジせずとも自然に転換されます。

ケイタはワキで、おもちゃ達がシテ。
夢幻能のように、在りし日の栄華の姿を繰り広げる、という展開。

私が観た日(12/24)は、オモチャの1つとしてゲスト出演された宮川悦子さんが笛を吹かれ、「敦盛」のイメージも喚起されました。

敦盛が命を落としたのも海だったし、色んな要素が混ざり合って、お能だぁ〜、という印象になったのかなぁ、と思います。

一方、同行した友人は、歌とダンスが楽しかった、と喜んでいて、観る人によって楽しめるポイントが様々というのも、面白かったです。

「萬斎 イン セルリアンタワー 22」を観る

 

12月16日、セルリアンタワー能楽堂へ。

最初に萬斎さんによる解説。

萬斎さんは、茄子紺の紋付に、京紫の細縞の袴、シルバーの角帯、鮮やかな空色の長襦袢

おお!
この袴は、広忠さんからのプレゼントではありませんか!!

去る9月19日に、「七代目杵屋和吉襲名披露公演」で三番叟を踏まれた際に、三響會ブラザーズとオソロでお召しになっていた袴。

ノーブルな気高さ倍増です!!
 
解説では、恒例の年間総括ともに、2つの小舞についても丁寧に解説くださったのが嬉しかったです。
 
萬斎さんが仰ることには、屋島に行ってみると小さな入江で、こんな所で戦っていたのかとビックリする、と。
壇ノ浦も然り、と。
 
でもでも!
そうは仰っても、小さかろうが、萬斎さんは屋島にも壇ノ浦にも、実際に行かれたのですね。
 
私もいつかは行ってみたいと思っていましたが、ますます行きたくなりました!

解説は予定を20分オーバーして19:45まで。
ありがとうございます!

小舞「八島 後」裕基くん。
小舞「海人」萬斎さん。

地謡は、深田さん&高野さん&月崎さん&太一郎くん。

裕基くんは青鈍色の紋付にグレーの袴。
釣狐の披きの翡翠の扇。
キレのある所作にも、静止の姿にも惚れ惚れです。
 
萬斎さんがパノラマティックなポイントを熱烈解説くださったお陰で、詞章の美しさとの相乗効果を堪能しました。

萬斎さんの装束は、解説の時のまま。
大サービスに感謝です。
扇は、シルバー地に雪持ち椿。

ツアーアテンダント・萬斎さんに、深海に連れて行っていただきました!
謡のお声がグンと重低音になる場面では、海の底深くへ入っていく感が増長され。
 
萬斎さんの周りの空間も、どんどん深い色調になっていくようで、海底層を下へ下へと進んでいく感覚を味わいました。


狂言「仏師」
すっぱが石田幸雄さん、
田舎者が飯田くん、
後見が月崎さん。
 
「やっと、やっと」という、すっぱの応答、妙に気に入ってしまいました。
以前にも観た曲のはずなのに、何らや新鮮で。
石田さん独自の味わいのお陰でしょうか。
 
解説の際に萬斎さんは、「仏師」で使う面を横澤夏子さんに似てる、と。
最初は彼女の名前が思い出せず、彼女の出演CMの特徴を話され、見所に尋ねておられました。
萬斎さんのお祖父様が打たれた面なのだとか。
 

狂言「吹取」
何某が萬斎さん、
婚活する男が深田さん、
女が高野さん、
後見が裕基くん。

裕基くんは今度は黒の紋付。
途中で笛を萬斎さんに渡すのですが、いったん笛を床に置いて整える(持ち直したのかも)所作が綺麗。
 
萬斎さんは、胡桃色&ブルーグレー&白の段熨斗目、水色の襟。
長裃は、茶の更紗模様。
リバティプリントちっくな柄。
 
何某サマは、水面に映る景色に、キャーッと大興奮。
 
その景色の中へ、笛吹き何某サマが入った景観に、私も内心ギャーッと大興奮!
 
何某サマと深田さんが作りだしたエアの世界のはずなのに、究極の絶景だーー、とうっとりでした。
 
折に触れて萬斎さんが、狂言の約束ごとを演者と観客で共有しないと楽しめませんよー、というような事を仰っていますが、
 
まさに!!
 
共有したからこそ、観れる絶景だったんだなぁ、と思います。

「第11回三曜会「融」」を観る

12月3日、国立能楽堂へ。

最初に佐久間二郎さんによる解説「本日の見どころ」 

仕舞「賀茂」
奥川恒治さん

仕舞「草子洗小町」
観世喜之さん

仕舞「土蜘蛛」
長山耕三さん& 佐久間二郎さん

狂言六地蔵
シテの徒者が万作さん、
田舎者が萬斎さん、    
アドの徒者が
深田さん&内藤くん&裕基くん。
後見が中村くん。

"徒者"は、"いたずらもの"と読むのだとか。
事前に萬斎さんから仕入れた情報として、佐久間センサが解説で教えてくださいました。

万作さん率いる詐欺グループは、悪者のはずなのに、なぜか応援したくなってしまう。

詐欺の手口のツメが甘くて、もどかしい為でしょうか。
六地蔵のポージング指導のアシスタントに、立候補したいくらいです。

萬斎さんは、カモにされそうな田舎者の雰囲気は少なめ。
垢抜けないキャラに無理に寄せたりしないのが、よいです。
都会は知らなくても、不自由なく暮らしてきた坊ちゃん、と解釈して堪能しました。


仕舞「頼政
観世喜正さん


狂言小舞「通円」
萬斎さん。
地謡は、高野さん&中村さん&裕基くん&飯田くん。

萬斎さんは老竹色の紋付に、同色の襟、京紫色の褊綴。

お茶を立てまくる場面に釘付けでした。
お茶碗をツイと差し出す所作を、ババババッと繰り返す表現がカッコ良くて。

その差し出す所作のままフリーズされると、お点前がハイスピード過ぎる故に、このように見えているのだ、と錯覚してしまう。

お点前の工程は色々あるのに、その中でこの工程を選ぶセンスに惚れ惚れします。


そして、こういう象徴的な表現が、私が能楽に惹かれるポイントなのかなぁ、という気がします。

佐久間センサの丁寧な解説のおかげもあり、「頼政」と「通円」をペアで楽しめました。


能「融 舞返」
尉・融大臣の霊が佐久間二郎さん。
旅僧が森常好さん。
所の者が高野さん。

地謡は、観世喜正さんを地頭に、
中森貫太センセ&永島充さん&鈴木啓吾さん&中森健之介くん&桑田貴志さん&坂真太郎さん&長山耕三さん。

笛が竹市学さん、
小鼓が飯田清一さん、
大鼓が広忠さん。
太鼓が大川典良さん。

エキセントリックな後シテでした!
お囃子も!!

観ている途中で、私が広忠さんにハマったのは「融」だった、と閃くように記憶が甦りました。
その時も、シテ方九皐会メンバだったように記憶しています。
9年前の10月のことでした。

来年の三曜会は、「安宅」だそうですーー

「第100回 野村狂言座」(木曜日)を観る

12月1日、宝生能楽堂へ。

最初に萬斎さんによる解説。

今日の演目のうち「飛越」と「簸屑」は、どっちも相撲の話が出てきて殆ど同じ事を言うので、「簸屑」では相撲のくだりは割愛します、とのこと。

なるべく、こういう被りがないよう番組を組むようにしているんだけど、たまにこういう事が生じてしまうのですって。

「老武者」の解説では、昔は男性が稚児を愛でる嗜好が割と一般的だった、という話の流れから、
牛若丸が清盛に殺されずに済んだのも、稚児力高めだったの お陰という説もある、と。
そうだったのか〜

解説は、ちょっと予定オーバーして19分も。
黒門付のお姿を少しでも長く拝見したい身としては、ありがたい限りです。


狂言「飛越」
新発意が中村くん、
何某が内藤くん、
後見が月崎さん。

何某が一旦は渡った小川を軽々と戻ってくると、新発意がすかさず感嘆。
こういう細かいトコを丁寧に掬ってくださるから、エアーの小川が成立するのですね。


狂言「簸屑」
太郎冠者が高野さん、
主が飯田くん、
次郎冠者が深田さん、
後見が岡さん。

「食べて直ぐ横になると牛になる」というコトワザを思い出しました。
昔は、怠惰なことを戒めよう、という思想が強かったのかしら?

そして、鬼というか、異形のものへの恐れが、とてつもなく大きかったのだなぁ、とも思わされました。


狂言「鱸包丁」
伯父が万作さん、
甥が裕基くん、
後見が中村くん。

万作さんは、荒磯模様っぽい細かい柄行の長裃。
こなれ感のあるコーデが素敵です。

厳しげなお役の時にお召しになる隙のないコーデもお似合いになりますが、また新たな魅力を知った思いです。

伯父は、甥の嘘を真っ向から叱るんじゃなくて、甥のテリトリーである虚構ワールド出向いて対抗してみせます。
これぞ、真のオトナ!


素囃子「早笛」
大鼓が佃良太郎さん、
小鼓が森貴史さん、
太鼓が大川典良さん、
笛が小野寺竜一さん。

狂言「老武者」
祖父が石田さん、
三位が萬斎さん、
稚児が三藤なつ葉ちゃん、
宿屋が淡朗くん、


若衆が
太一郎くん&内藤くん&岡さん。


祖父が月崎さん&高野さん&竹山さん&深田さん。
地謡が中村くん&裕基くん&飯田くん&福田成正さん。


後見が万作さん!

最初に萬斎さんが登場して次第を謡われる。
ワキ方ちっくなお役なのですねー

酒宴のシーンでは謡が盛りだくさん。
萬斎さんの謡がいっぱい聴けるとは、なんという贅沢なのでしょー

この日のラジオで萬斎さんは、ご自身が地頭をなさった別の公演に触れ、「私が頑張らなくても他の人達にもっと頑張って貰いたい」という主旨のご発言をされていたけど、

いやいやいやいや、今回の「老武者」の地謡、すてきでしたよぉ

特に裕基くんのお声が美しく響いていました。

解説でのお話によると、以前にこの曲をやった時は、地謡はヨソのおうちからヘルプして貰ったのだとか。
てことは、今回の地謡メンバは全員、この曲を務めるのは初だったのかもしれず、めちゃくちゃ特訓なさったのでしょうねー

なつ葉ちゃんは、自覚なき美少年、と私は解釈しました。

可愛い可愛いと世間がざわつき始めたので、これはビジネスになりそうだ、
と三位は考えたのかも。

そうなのです、
萬斎さんは最初はワキ方モードだったのが、興行マネージャモードにシフトチェンジ。
胡散くさいマネージャ様も佳い!

昔は、稚児というのはアイドルっぽい位置付だったのですね。
で、そのファン同士の派閥争いが勃発した、と。


第101回は、三番叟!
解説の際に萬斎さんがおっしゃることには、
木曜と金曜で小書が違い、どっちの小書もレアだけど、特に金曜の方がレアなのだとか。
そんな事いわれちゃったら、どっちも予約せずにはおられません!!

「国立能楽堂 企画公演 ◎聖徳太子1400年遠忌によせて(11/30)」を観る

11月30日、国立能楽堂へ。

狂言「太子手鉾」
太郎冠者が野村又三郎さん、
主が野村信朗くん。

又三郎さんの肩衣がコオロギ!
本物は苦手なのに、絵になると何故か心惹かれます。

守屋なんぞというワードが出てくると、もうそれだけで「日出処の天子」の中の顔が脳内再生されます。
自分の中では、「別に〜」な人物であっても、この再生力!

山岸涼子さんが作り上げた世界が如何に揺るぎないか、という証です。


復曲能
世阿弥自筆本による「弱法師」

俊徳丸が大槻文蔵さま、
その妻が大槻裕一くん。

四天王寺の住僧が福王茂十郎さん、
従僧が福王知登さん&喜多雅人さん。

俊徳丸パパ・高安通俊が萬斎さん、
能力が太一郎くん。

笛が竹市学さん、
小鼓が大倉源次郎さん、
小鼓後見は大倉伶士郎くん、
大鼓が山本哲也さん。

俊徳丸パパは、通常ならワキ方のお役ですが、今回は特殊演出により、狂言方がなさる!

しかも萬斎さんが!!
・・・というのが、私には大きな目玉でした。

萬斎さんは、藤色&鶯谷色&スズメ色の段熨斗目に、雲取り模様が配された女郎花色の素襖裃。
雲の中は細かい銀杏柄で、雲の周囲は鮫模様ちっくな点々。

美し過ぎる!!
憂いをまとった風雅なお姿に、心を奪われました。

パパが暗くなるまで名乗らないのは、人目がある為と言っていたけど、それだけじゃなくて、
今日までの俊徳丸の来し方を理解するための時間を取りたかったのかな、と感じられました。

何年もの空白は埋めるには、心情的に寄り添うための助走時間が要る、と考えての事だったのかなぁ、と。

そして、パパが我が身を名乗る場面では、狂言方地謡が一緒に謡を!

帰宅してから公演パンフを見直してみると、そこのパートには確かに
「高安通俊/地謡」と書かれており。

 

鷹姫とかの新作能は別にしたら、狂言方地謡が一緒に謡うって、とってもレアなのでは。

 

狂言方の心情を8人ものシテ方が!謡ってる!!

 

まるで萬斎さんがシテ方になられたかのようなシチュエーションにトキめきました。

 

そして、俊徳丸&その妻が可憐でした。
頼りなげな流浪感もありつつ、零落感はひかえめで清らかな気品が仄かに漂っていて。

このお二人の「蝉丸」をいつか観てみたいものです。

「万作を観る会-野村万之介十三回忌追善-」を観る

11月27日、国立能楽堂へ。

小舞
「祐善」太一郎くん
「蝉」裕基くん

地謡は、萬斎さんを地頭に、
内藤くん
&竹山さん
&月崎さん
&飯田くん。

萬斎さんのお声が深く美しい。
地頭をなさる萬斎さんが大好きです!

裕基くんはグレーの袴に、シルバーの扇。
クールな色調が、スタイリッシュな舞と響き合います。

細身の身体は、薄く儚げながらもピシッとフラットな蝉の羽に通じるものが。

そして、動きがとても綺麗で、
精巧に作られた工業製品の機能美のようなものを感じました。


狂言「木六駄」
太郎冠者が万作さん、
主が遼太くん、
茶屋が中村くん、
伯父が石田さん。

後見が内藤くん&飯田くん。
幕が岡さん。

万作さんの前半の肩衣は、テールグリーン地にマンサクの花。
中村くんの肩衣は、墨色地に雪持ち笹&筍。
どちらの肩衣も素敵。

伯父と太郎冠者のやり取りがチャーミング。
呑めぇー
呑もぉー
のくだりが特に。
軽やかで気品があって。

防寒具にも事欠くような太郎冠者に気品がある、というところに、ぐっときました。

木下順二作・狂言による「彦市ばなし」
彦市が深田さん、
天狗の子が高野さん、
殿様が萬斎さん。

笛が松田弘之さん、
太鼓が、桜井均さん。

後見が、月崎さん&岡さん&飯田くん。

ふかたかコンビの新境地〜
チャランポラン深田さんと、
跳び回る高野さん!
更に、殿サンの萬斎さんが、これまた弾けていて。

3人がそれぞれに活き活きとしていて、心の底から湧き立つようなワクワクを煽られました。

殿様の役って、演じられる方によって大きくイメージが変わる、というのも驚き。
以前に石田さんがなさった時は、お人好しの鷹揚な殿様だったけど、
萬斎さんがなさると、好き放題に振る舞うお坊っちゃん、という風。

いろーんな可能性に満ちた役なのですねー
この配役で、また観たいです。

「第十五回 桂諷會 ー長山禮三郎三回忌追善能ー」を観る

11月23日、国立能楽堂へ。


「翁」
翁が長山桂三先生、
三番叟が萬斎さん、
千歳が長山凜三くん!
面箱が裕基くん。
 
三番叟後見は
内藤くん&飯田くん。
 
笛が松田弘之さん、
小鼓頭取が大倉源次郎さん、
脇鼓が清水和音さん
&大倉伶士郎くん、
大鼓が広忠さん。
 
舞台の上に!
好きな方々が!
多過ぎる〜
 
凜三くんが益々りりしくなっておられ!
凜三くんは、暗黒色の松皮菱に鶴亀が配された直垂、亀甲に牡丹?の厚板。
厚板は暖色系と寒色系の段替のようになっていて、襟元は暖色メイン、袂からは寒色がチラ見え。
 
躍動感の中にもヒンヤリした端麗さがあって、それが寒色に呼応して感じられました。
 
桂三先生は、玉虫色の蜀江文様の袷狩衣に、紫地に八藤の指貫。
 
会員限定動画で事前講座を視聴して臨んだのですが、その講座の中で桂三先生が仰ることには、翁が場所を移動する時は全て歩数が決まっているのだとか。
 
神様になってる時に、歩数だなんて瑣末な事に煩わされたくないっ!、という気持ちにならないのかしら?
 
・・・と講座を聞いた時は思っていましたが、
所定の歩数などをこなす事も、神様になるステップの一つなのかな、という気持ちに。
だって、翁の面を外された時のお顔が、神様になったー、というお顔だったので。
 
裕基くんは明るい空色地に鶴亀が配された直垂。
長い橋掛りを進んで来られる姿が美しい。
片膝をついて控える姿も然り。
 
萬斎さんは、茄子紺地に鶴亀・松が配された直垂に、朱色ベースの格子の厚板。
格子の縦ラインは、緑&金&赤墨色の縞のリボン風。
萬斎さんをクリスマス仕様にラッピングしたかのよう。
 
尊い三番叟でした!
ちょうど一週間前に観たはずの三番叟なのに、はげしい渇望感が癒やされたような思いです。
翁での萬斎さんの三番叟は、ほんとうに久しぶり。
スペシャル配役の翁を企画くださった桂三先生に感謝です!!
 
 
狂言「二千石」
主が万作さん、
太郎冠者が高野さん、
後見が裕基くん、
幕が飯田くん。
 
裕基くんは、淡いグレーの紋付裃。
石清水のように気品がサラサラ流れてます。
 
主に謡を所望された太郎冠者が歌おうとすると、
「さて、囃子ものでも呼びにやろうか?」と主。
 
ちょっと店屋物でも取ろうか、という程度の軽いノリで。
 
昔は、そんな風に気軽に囃子方(?)を呼ぶような習慣があったのでしょうか。
なんて風雅なのでしょー
 
 
独吟「江口」梅若桜雪さん。
切戸口を通り抜けられるのに、非常に難儀しておられました。
身体を屈めるのがお辛そうで。
 
両脇から馬野正基さん&山崎正道さんに支えられてのご入場。
そして、椅子が運びこまれ、椅子の背後から他の方が支えて、なんとか座っておられる、というご様子。
 
舞囃子「恋重荷」
笛が藤田貴寛さん、
小鼓が大倉源次郎さん、
大鼓が亀井忠雄さん、
太鼓が小寺眞佐人さん、 
地頭が桜雪さん。
 
桜雪さんが切戸口から退出なさるのは、入場の時より更に大変そうで。
そうまでして切戸口から出入する事を厳守なさるものなのですねー
 
ちょうど自分も腰を痛めていて前傾姿勢が辛いだけに、他人事とは思えず。
畏れ多くも人間国宝さまに連帯感を感じてしまいました。
 
このあとの「融」は、諸事情で観ること叶わず。
 
事前講座で披露くださった直衣をお召になったお姿を拝見したかったのに。。。
無念です。
でも後日、アップしてくださたお写真を嬉しく拝見しました。
 
来年は同会の開催は無いそうなのですが、再来週を楽しみに待ちたいと思います。